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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第19章 気になるひと

夜の遅くまで営業している食堂は、この時間になっても利用者が途切れない。
食事をしながら、ミレイとスミヤの周りには二人を見比べている生徒も数人いた。
「…じゃあ、ヒントをあげようかな」
呼び止められたスミヤは初めこそ戸惑っていたものの…
ミレイの視線から逃れることなく微笑みで返す。
「兄さんは昔から…猫が好きだった」
「─ッ…ね こ…?」
「今だって好きなんじゃないかな」
「……!!」
それだけですかと
そう言いたいミレイの思いを先回りしてか、スミヤは最後に一言を付け足した。
「これは助言かもしれないし
──…忠告かも、しれないよ」
気を付けて──
意味深な物言いだった。
食堂の入り口で、外から戻ってきたナツとスミヤがすれ違う。
ナツは三種類の飲み物を手に持ち、出ていこうとするスミヤに気付いて驚いていた。
さらに彼は、そっと…スミヤに耳打ちされて
いっきに顔を赤くして焦燥する。
何を言われたのか知らないが
ミレイの頭は、謎かけのようなスミヤの言葉ですでにいっぱい。気にする余裕もなかった──。
───…

