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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第19章 気になるひと

いつものように鍵のかかっていない玄関扉を開けて家に入る。
彼女がキッチンやダイニングを覗くも人影はなく、リビングにさえ誰もいなかった。
そして長い廊下にさしかかった時──
彼は、いた。
「…よか…った」
道をふさぐように廊下の途中で眠っているカルロ。
「スー…、スー…」
いつもの寝息だ。
何故だろう、それだけで
眠っているカルロを見るだけで、この安心感。
仰向けの体勢で動かないカルロに近付いて、ミレイは静かに膝をついた。
「カルロ…さん?…こんな所で寝たら、風邪を引いちゃいますよ…」
カルロは返事をしない。
だが寝息が止まったので、彼が起きたことは明白だった。

