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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第20章 猫と、彼の闇

静寂がただよう夜の縁側は、北欧風の明かりによって落ち着いた色に照らされていた。
そこで椅子に腰掛け、肘おきにもたれてじっとしているカルロ──
彼は何をしているのだろう。
しばらく彼を観察している中で、ミレイは裏庭でごそごそと動く小さな影に気が付いた。
「ぁ……」
猫だ。
庭の草にまぎれて縁側の前をうろついている一匹の猫。
“ しかも…どこかで見たことあるような ”
初対面ではない気がする。
ミレイの記憶は正しかった。
白く長い毛に、黒いぶち模様。
カルロとミレイが手錠で繋がれた日に、図書館前の広場にいたのと同じ子だ。
どこの猫かは知らないが、妙に人懐こくて不思議な猫だった。
カルロによって盗聴器である首輪を外され、嬉しそうにしていたような…。

