この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第1章 Prologue──あの日の青年
ちょうど山のすそのに暮れかけている太陽が、空を夕暮れ色に染めていた。
そんなオレンジの光を背にして立つ彼は、逆行のせいで顔を見ることができない。
ただ、彼が大人になりかけの青年であること
それだけは彼女にもわかった。
青年は黙ってこちらに歩いて来て──
彼女を捕らえていた男達は狼狽していた。
『 何故あなたがここに…!? 』
『 俺の勝手だ 』
大の男がそろいもそろって狼狽える理由はわからないが、彼女はもう…見ず知らずの謎の青年を頼るしかない。
助けて下さいと、なんとか声を絞り出した。
『 …… 』
その声に青年の返事はなかったが、微かに頷いてくれたような気がした。
そして青年は腰に下げた拳銃に手を滑らせる。