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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第21章 兄弟喧嘩

「──…ンなことよりお前はそいつに何してる?」
「…?」
ハルトはミレイを顎でさして目を向けた。
彼女はといえば、カルロに詰め寄られながら、湛えきれない涙で顔全体を濡らしている。
いつも通りでないことは一目瞭然なのだ。
「手ぇ出そうとしてんじゃないのかよ」
「…ハ…、そう見えるか」
ハルトに訊われ、含み笑いで返すカルロ。
彼は直接ミレイの方は見ずに、体勢を戻して身体を離した。
「だが…だとしたら、何だ?」
何か問題があるのかと、試すように言い放つ。
「白昼堂々…リビングでヤり始める、困った弟に責められるいわれは、ないつもりだが」
「場所の話をしてんじゃねぇだろ」
「…そうか…なら、何の話?」
カルロはいったい…ハルトに何を言わせようとしているのか。
ミレイは顔を上げて、そのやり取りを口もはさめずに見まもるだけだ。

