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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第21章 兄弟喧嘩

泣きながら声をはり興奮していたせいで赤かったミレイの顔は、違う意味でますます赤みを増した。
恥ずかしい…。
「…ハっ、何だよその間抜け面は」
ハルトは彼女から唇を離し、カルロに顔を向けて言い放つ。
「それが興味ないって顔かよ?」
さっきまでの仕返しだとでも言いたげに、笑い返していた。
ミレイから見れば彼は普段と変わらずの無表情なのだが、その僅かな差を兄弟であるハルトは見逃さない。
「悔しいって顔に書いてあるぜ」
「──…」
「…チ…腰抜け」
ハルトが馬鹿にした様子でけしかける。
しかしカルロは無言のままで、ぴくりとも動かなかった。
「ならてめぇはそこで見てろ。こいつの身体中に俺の印を植え付けてやる…!!」
「ハルトくん!…手…どけて…!」
「……大人しくしとけ」
「…っ…本気なの…!?」
ハルトはこのまま続けるつもりなのか──?
実の兄の目の前で。

