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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第21章 兄弟喧嘩

呼吸の仕方がわからない
自分がいったい、何をしているのかも…。
“ これは夢なのかな ”
夢だとしたら、実に生々しくて滑稽な夢だ。
そして悲しくて…苦しい、夢だ。
朦朧( モウロウ )とした視界、記憶、思考──。
もしこれが現実でないのなら、どこから?自分はどこから夢を見ていたのか?
カルロさんの闇を見てしまったのも幻なら…
今にも飛んでしまいそうなこの意識に、記憶を預けてしまいたい。
「はぁ‥‥っふ、ぅぅ‥…ン、アッ‥‥!!」
「…、……ミレ イ…」
「…!!」
彼が、初めてわたしの名前を──。
“ ほらね、…やっぱり ”
やっぱりこれは、夢なんだ。
......
ミレイはその顔をさらに蕩けさせて完全に意識を手離した。
三人が立つ縁側のほの暗い灯りは、男と女──それぞれの表情を鈍く切り取り、板張りの床に崩れた彼女の湿った肌を照らした。
じっとりとした空気──
夜の縁側だというのに、爽やかさがまるでない。
明日はまた雨が降るのだろうか。
───…

