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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第22章 歪んだ愛

こんなに冷たく感じるのは、自分が熱をひいているせいもあるかもしれない。
「──…なんて ネ 」
スミヤは最後に言葉を濁して、パッと彼女の髪から手を離す。
「君の気持ちが兄さんから離れるのも時間の問題。焦らず待つことにするよ」
「…っ…どうしてそんな風に言いきれるんですか」
「じきに、理解できるさ」
ミレイは疑問に思った。
スミヤが何故、ここまでカルロに敵対心を抱いているのか…。
何を根拠にカルロを否定しているのか。
弟である彼は、兄のどんな秘密を知っているのだろうか…。
「──…もしかして、カルロさんの過去の事を言ってるんですか?」
「…過去?とは」
「カルロさんから直接 聞きました。…猫を、殺したんだって…っ」
「……へぇ」
カルロが自分の事を彼女に話したという事実が、スミヤにとっては意外だった。
“ あの兄さんが…話すなんてね ”
いよいよカルロとしても、危機感を覚えずにはいられなかったという訳か。
スミヤは脚を組んで、椅子に深く座り直した。

