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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第22章 歪んだ愛

羽織っているシャツも、汗で濡れているから早く脱ぎたかった。
もうひと眠りしたいから…ブラはまだ付けなくていいけれど。
ミレイは代わりの服を探しながら、額に滲んだ汗をぬぐった。
───コン、コン
「……っ」
「…失礼してもいいかな」
いきなり声をかけられて、驚いたミレイはドアに顔を向けた。
スミヤは部屋の扉を閉めずに外に出ていったらしい。
そのため開けっ放しだったドアの前に、ひとりの男が立っている。
男は扉の内側をノックして自分の存在を彼女に知らせたのだ。
「入っても大丈夫かい?」
「あなたは…っ」
ミレイは慌ててはだけたシャツの胸元を掻き寄せる。
部屋の入り口に立つその人は、白髪混じりの黒髪をきれいに整えた…スラリと高い背格好の、清潔感のある壮年の男だった。
ミレイはその男を知っている。
“ 理事長…… ”
東城家の当主であり、この学園の理事長──ミレイの前に現れたのは、カルロ達の父親だった。
───…

