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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第23章 元凶

花瓶には花が刺してある。
『 いつも…ありがとう…… 』
身体を動かすことのできない女性は、今にも消えそうな弱々しい声とともに微笑んだ。
微笑まれた少年も、その歳にしては随分と大人びた笑みで応える。
『 明日はスミヤも来ると思う 』
『 …… 』
『 俺もまた、来るよ 』
『 …ごめんね…カルロ 』
『……どうしたの 』
彼女が謝るものだから
少年はいぶかしげに聞き返した。
ベッドに横たわる美しい女性は、微笑みを絶やさぬままゆっくりと話す。
『 お母さんと会えるのは……これきり、よ 』
『 ……? 』
『 お母さんは、明日…もう生きていないの 』
『 どうし、て 』
『 本当に…ごめんね… 。やっと夢が叶うの 』
『 ──… 』

