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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第23章 元凶

カルロが寝返りをうつと、まだ乾ききっていない金色の髪が頬に張り付いた。
だがそれを払う動作すらも鬱陶しい。
いやに喉も渇くが、キッチンまで歩く気になれなかった。
「──…」
そして寝返りをうった先には、自分を見下ろす人影があった。
ミレイの部屋を去ってきたばかりのスミヤだ。
「ハァ…また濡れたまま寝てるの?兄さんまで熱だしたら困るんだけど」
「……話しかけるな。今の俺は…機嫌が悪い」
「奇遇だね。僕もだよ」
普段から会話という会話をしてこなかったこの兄弟は、時おり家で遭遇してもこんな具合だ。
一見、兄を気遣っているかのようなスミヤの言動にも、あまり気持ちはこもっていない。
それはカルロも承知だから、何を言われても相手にしない。
仮に…そこに心がこもっていたとしても、カルロは跳ね除けてしまうのだが。

