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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第23章 元凶

そんな、会話の途切れた密室に
気怠い声が、横入りした──。
“ この 声… ”
ミレイは扉に顔を向ける。
一度閉じたその扉は、彼女の手をスキャンしない限り外から開けることはできない。
「ここを開けろ……」
「……!」
そんな扉の向こうから、確かに声がするのだ。
誰の声なのか一瞬で聞き取ったミレイは、ベッドから腰を跳ねあげて…そこへ走った。
ヒデアキは彼女を止めず
一歩も動かずに、やれやれと息を吐いた。
ミレイはドアノブに手をかけてそれを回し
走った勢いのまま扉を開けた。
「──…ァっ…カルロさん!」
「…ッ──!!」
開いた扉の隙間から飛び出してきた彼女を、ドアの向こうに立っていた男は驚いて受け止める。
そして部屋の中に目を向けると、そこに立つ実の父親を冷たい目で睨み据えた。

