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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第23章 元凶

「…あ…っ、ごめんなさい」
「……」
「わたしはもう大丈夫です…!だから理事長も、お仕事に戻ってください」
あまりにもあからさまに避けてしまったと、ミレイは直後に気付いたが、もう遅い。
「急に、どうかしたのかい」
「別に、っ…何も」
「…そうか。私を怖がっているのか」
払われた手をおとなしく下ろして、艶のある低い声で呟く。
彼は怒っているわけではなかった。
むしろ、口元は軽く緩んでいて、ミレイの動揺を愉しんでいるように見える。
「そういうところも、同じだ」
「…な、にを…!? …言って…──」
「アンナもそうやって私から逃げた。逃げ切れると…本気で思っていたらしい」
「……っ」
イヤだ
怖い。
何を言ってるのかわからない。
“ この人…怖い……!! ”
ミレイはベッドの縁を痛いほど強く握る。
目の前の紳士の、知ってはいけない部分を知ってしまったのだ。
「──…ッ」
彼女は何も言えなくなった。
相手も次の言葉を発しない──。
不気味な沈黙が続き、ミレイは熱のせいもあってか気が飛びそうになる。
......
「──…開けな よ」

