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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第24章 血の因果( インガ)

ミレイは片手を頭に添えて、酷い目眩に襲われて目を閉じた。
この瞬間、熱がいっきに上がってしまったようだ。
「……っ」
喋ろうとした唇が細かく震えて
消え入りそうな、か細い声がやっとだった。
「…あなたが、お母さん を…殺した…」
真実を噛み砕き、自分の言葉になんとか直す。
「──…ど、…」
どうして?
何故?
…彼女の頭を埋め尽くしたその言葉は、疑問であり非難であった。
「どうしてですか」
目を開けられない状態で、それを吐き出すのが精一杯だった。
「…理由を問うのかい」
ヒデアキは彼女の言葉を予想していたのだろう。
彼は迷うことなく、はっきりと言い切った。
「私が彼女を──…アンナを愛していたからだ」
自分の言う事に寸分の疑いも持っていない。
ヒデアキ自身の表情がそれを物語っていた。

