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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第24章 血の因果( インガ)

“ 愛していた…? ”
この人は何を言っているんだろう。
愛していたら殺せる筈がないじゃないか。
本当に母を愛していたなら、母の命を奪えるわけがない。
そんなものが…愛なわけ、ない。
「…嘘です、ね」
ミレイは彼の言い分を心の内で否定して、そして瞼を持ち上げた。
頭に添えた手の隙間から、顎をひいて男を睨む。
「あなたは、自分を選ばなかったお母さんを逆恨みしただけ…!! こんなの…っ…ただの嫉妬だわ」
そうだ…これは逆恨みだ。
愛という言葉で誤魔化そうだなんて
そんなこと許すものか。
「そんな身勝手な言い訳!おかしい…ッ!! 絶対 に、…おかしい!…あなたはお母さんを愛してなんていない…──ッ ‥」
不安定な音程で男を罵るミレイ。
身体のバランスを失いそうになり、彼女は掴んでいるカルロの腕にすがった。

