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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第24章 血の因果( インガ)

「私を撃てば、訣別できると思っているのか…」
そんな幻想にすがっている息子を、哀れむような父の眼差し。
「そんな筈がないだろう?カルロよ」
「……」
「私を殺したとて何も変わらない。…お前がどれだけ逃げようと、血は、争えないのだからな…」
血は争えない──
それを聞いたミレイは、なんて残酷な言葉だろうと感じた。
それならカルロが何をしようと、彼は決して救われないじゃないか。
カルロの抱える苦しみが、血の因果( インガ)であるならば…
彼は決して、逃れることができないじゃないか。
“ カルロさんは…こんなに苦しんでる ”
自分が父親と似ている事に苦しんで
同じ過ちをするのではと怯えている──。

