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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第24章 血の因果( インガ)

「…カルロさん」
そんな彼がいたたまれなく、銃を構えるその横顔を見ただけで、また涙が溢れた。
「撃っては駄目…!!」
「あんたは黙ってなよ」
「撃たないでください!」
引き金をひく寸前のカルロに、大きく叫んで懇願した。
耳障りで仕方がないだろう…そう自分でもわかるほどの音量と、不細工な音程で。
本当は抱き付いて止めたい。
けれどこの状況で、こんなに苦しんでいる彼をさらに追い詰めたくはなかったのだ。
だからミレイは足を動かし
カルロとヒデアキを結ぶ直線上──銃弾の通り道に、自身の身を置いた。
「こんな時まで、お人好しの押し売りか…!?」
「……」
「…どきなよ」
「…っ…嫌、です」
カルロの苛立ちが伝わり、怖くないと言えば嘘になる。
ミレイは彼に背を向けて、ヒデアキに向かって話し始めた。

