この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第25章 書庫

「あんた…何か企んでるのか?」
「…企んでますよ。どうにかしてカルロさんとお話しようって」
そう言ったミレイが浮かべた笑顔は、これまた不自然なものだった。
疲れ顔なのに無理やり上げた口角。
「趣味が同じだと嬉しいじゃないですか。カルロさんはどんな本を読むんですか?小説?…あ、歴史とかは好きですか?」
「おい…──」
「…ここ…っ、座ります」
質問攻めをしておいて、相手の返事も聞かずにミレイは隣の椅子を引いた。
そこに座って、取ってきたばかりの本を開く。
“ 変に思われてるよね… ”
強引だという自覚は彼女にもあったけれど
こうでもしないと、カルロに「消えろ」と言われるのが目に見えているからだ。
「……おい」
「う、うるさいなら静かに読みます。だからカルロさんは気にせず!寝ていてください」
「…ハァ」
溜め息をつかれたって
ミレイは逃げるわけにいかなかった。

