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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第25章 書庫

「…教えろ。あんたが今…何、考えてるのか」
ミレイの息が大人しくなるのを待ってから、カルロが問いかけた。
その問いに対して、ミレイは机に背を付けたまま仰向けの状態で答える。
「どう したら、…カルロさんを……助けてあげられるのかって…──」
どうすれば彼はこれ以上…苦しまなくてすむのだろうか。
可哀想なあなたに
自分が何をしてあげられるのか。
「…ハァ…っ、…でも、いくら、考えても…!わたしにはわからなくて……」
何もできない
何もしてあげられない──
どうすればいいのかわからなくて涙まで出てくる。
それほど彼の苦しみは深く、底の知れない処にあるから…。
「…あんた、聖人を通り越して神になるつもりか?助けるなんて軽口……、よくも…たたける」
「それが本心です…!!」
「──…なら方法は二つにひとつだ。
…大人しく、俺に殺されるか 」
「…それは…っ…、できません…!!」
「……それが無理なら、金輪際──俺に近付かないと誓いなよ。この家から…この学園から出ていけ。
二度と俺に見つからない場所へ…──」
「それもできません!!」
「──…!?」
カルロを救いたければその方法は二つにひとつ。
しかしミレイは、その両方を拒絶した。

