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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第25章 書庫

「わからない…!! どうすればいいか…ッ─…わからないんです……っ」
ミレイの目からさらに溢れた涙は、頬を濡らし髪を濡らし……もう、ぐちゃぐちゃだった。
「…それが辛い…!!」
カルロの服の衿を持って、揺すりながらミレイが訴える。
辛くて、苦しい。
なんの取り柄もない自分では、どんなに足掻いても答えに行きつかない。
──でも
「殺さないで…──ッ」
「……ッ」
「愛するものを殺したり…っ─しないで」
どんな説得も意味をなさないのだと
たったそれだけを理解した今──
彼女が叫んだのは、何の武器をも持たない、裸のままの懇願だった。
「殺すことが愛だなんて…そんな…ッ─あなたの未来から、愛するものが無くなってしまう」
何より悲しいのは
カルロさんが未来を見ようとしないから。
昔のトラウマに苦しんで…毒されて
幸せな未来に執着しなくなっているから。
「あなたにも、あなたが…愛するものにも、ちゃんと未来があるんです。殺したら…死んでしまったら…っ、それが途切れてしまうのよ!」
そんな世界から戻ってきて…
そんな悲しい世界を選ばないで…!!

