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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第26章 迎え─ミレイの選択

男が本当の事を話しているという証拠はないけれど、この人は嘘をつくような人じゃないと、そう直感したミレイ。
「あなたが…!!」
胸に込み上げるものがある。
自分の父親がどこの誰なのか…気に止めてこなかった。
彼女の記憶も憧れも、母親であるアンナだけでいっぱいだった。
だが、父親に肩車されてはしゃぐ子供を公園で見かけた時、ほんの少しも羨ましいという気持ちが生まれなかったのかと問われれば…それは、別の話。
アンナが死んで以来、孤独が当たり前だったミレイにとって、この出会いは胸を熱くした。
しかし…突然だ。
あまりにも突然なのだ。
「どうしてここに?…っ、それに、迎えって」
「東城逮捕の一件で、君がここにいるという情報が入ったからだよ」
名刺を渡した彼は、一歩下がってミレイと距離をとった。

