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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第26章 迎え─ミレイの選択

「私は、君の父親だ」
.....
男は最も簡潔な言葉で、衝撃の事実を口にした。
「……、え?」
すぐに意味の呑み込めなかったミレイが、周囲の誰かに助けを求めようとしても…
応接室にいるのは二人だけ。
結局、目の前の彼と目を合わせることになってしまう。
「どういう意味、ですか」
「そのままの意味だが」
「父親…──お父 さん?」
「そうだ」
「でも、っ…わたしには」
わたしにはお母さんしか──
そう言おうとした自分に気が付き、ミレイはすぐに言葉を止めた。
父親の事を、母の口から聞いた記憶はない。
彼女が育った施設の大人たちでさえ、そんな話をしたことはなかった。
だが確実に自分に父親はいたはずで…
今までの自分が、何も知らずに生きてきただけだ。

