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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第26章 迎え─ミレイの選択

「東城ヒデアキの件なら私は管轄外だ。…それは刑事局の仕事だからね。
私は警察庁警備局長、石頭白 ジン と言う」
「いとしろ、ジン…?」
ジン──ミレイの父である彼は、ハルトにも挨拶をすませた。
ハルトはその名に聞き覚えがある。
少し考えた後、両側から腕を捕まれた状態でニヤリと黒笑した。
「かの有名な警備局長サマか…。─…ハっ、何だよ?親父が捕まったことを笑いに来たんなら間違ってるぜ?あの件を警察にリークしたのは俺ら兄弟だ」
「…それは、誤解だが」
「SPまで引き連れて用心深いな。…ま、わざわざこんな敵地まで足運んでんだから当然だけどよ」
ハルトの言葉には、露骨なトゲがある。
そもそも警察とボディーガードは良い関係を築いていると言い難い。なかでも警備局(SP)ともなれば犬猿の仲だ。
今や国民の安全はボディーガードが保証する時代。そのせいで警備局の威厳は無くなり、ボディーガードを邪魔者扱いしている。
反対にボディーガードは警備局の人間を、形式ばっただけの役立たずだと嫌っている。
彼がこの家を " 敵地 " と言ったのには、そんな理由があるのだった。
「ケンカ、売りに来たんなら相手するけど?」
「…待って!ハルトくん、違うの」
ますます喧嘩腰のハルトをミレイが止めにはいる。
「…何がだよ」
「この人は、わたしのお父さんで…──」
ハルトは誤解している。
ミレイは慌てて、石頭白ジンが自分の父親であることを伝えた。

