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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第26章 迎え─ミレイの選択

「…!? 父親…?」
それを聞いたハルトも、ミレイと同じような反応だった。
ジンに顔を向けた後、ミレイと彼を交互に見比べる。
「へぇ……、女の癖にこの学園を選ぶとは、変なヤツだと思ってたけどよ。…ただの世間知らずなお嬢さんの、暇潰しだったってわけか?」
「え…!?」
「自分が警備局長の娘ってこと、隠してたのかよ」
「…違う!わたしも、知らなかったの。たった今 聞かされて…!」
「本当かよ」
「そうよ!」
ハルトに皮肉を言われて、何故か罪悪感に似たものをミレイは覚えた。
…というより、心外だった。
LGAに入学するために自分がしてきた努力は生半可なものじゃない。お金も、時間も、後ろ楯もない…そんな中で努力してきたのだから。
「彼女の言う通りだ」
ジンはハルトに顔を向けた。
「私の妻──アンナが、彼女を連れて消息をたって以来、一度も会っていなかった。…だが」
そして、嫌悪を含んだ目で彼を見る。
「──…彼女がこの学園に入学した事、さらにはヒデアキの家に住まわされている事実を知って、飛んできたのだよ」
「……」
「こんな所に、たったひとりの娘を預ける訳にいかないからね」
「こんなトコロで悪かったな」
凶暴な野犬でも見るような
そんな表情でジンはハルトに語りかける。

