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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第26章 迎え─ミレイの選択

「乱暴な事はしないで!」
「…こちらも好きで、するわけではない」
ジンは捕らえられたハルトを見下ろし、冷たく溜め息をつく。
「手が早いのは君の方だ。さすが奴の息子だな」
「……っ」
何か言い返そうとしたハルトだが、叫ばないように口も塞がれた。
「では、行こうか」
「…わたし…っ…行きません!」
「……ハァ」
ハルトが動けない間に帰ろうとするジンだが、ミレイは首を縦に振らない。
強情さは母親ゆずりか……。
それを納得しながらも、ジンは彼女を連れ帰るために手段を選ばなかった。
「君が嫌がったとしても、親権は私にあるのだよ。法律的な手続きをふめば……無理やりにでもできるのだから」
「…そんな…!!」
「…だが、それはしたくない。君の意思で来てくれないと悲しいだろう?だから我が儘はやめなさい」
優しい声でミレイを諭す。
「でも…っ、…でもまだ、ここにいたい…!」
それでも言うことを聞かない彼女に、やれやれと首を振ると、ひとりで応接室を出ていった。

