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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第26章 迎え─ミレイの選択

「アンナは任務中に殺されてしまったではないか」
「それは…そう、だけど…!」
「ガードマンは常に、死と隣り合わせだ。そんな世界に娘を差し出す真似はできない」
たとえそれが、娘の夢を阻む行為でも──
そう付け加えた彼が、ミレイの腕を掴もうと手を伸ばした。
「それが父親というものなのだよ」
「待って…っ、待ってください」
「来なさい、ミレイさん」
彼女を連れて帰ろうとするジンに…──
一番に早く反抗したのは、横で見ていたハルトだった。
ハルトは無言で、ジンに掴みかかろうとする。
「…ッッ!──‥カ‥ハ‥っ‥‥!!」
しかし掴みかかろうと前に出た瞬間を両側のガードマンに見切られ、僅かに動いたところで腹に一撃を喰らわされた。
ハルトと言えども、大人の男三人が相手では分( ブ)が悪い。
彼は三人がかりで床に押さえ付けられた。
「ハルトくん!?」
「‥ッ‥勝手なコトしてんじゃねえ!」
押さえつけられたままハルトはジンに向けて怒鳴った。

