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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第27章 本気の愛

「君は変わっているね」
「…!そう、ですか?」
「たったひとりの肉親が一緒に暮らしたいと願い出たのに、それを断るんだろう?君がそんなに薄情な子だったとは知らなかったな」
「…薄情だなんて…!!」
スミヤの指摘は鋭かった。
何の前触れもなく知らされたせいで、ミレイはまだ家族という実感を掴めていないのだ。
だから反発してしまう…。
それに気付かされ、ミレイに再び迷いが生まれる。
「もし本当にお父さんなら…わたしだって一緒に住みたい。でも!ここを辞めたらわたしの夢が…っ」
「……」
「ガードマンになる…夢が…」
「…まだそんなことを言ってるんだね」
薄情だと言われてしまった彼女は、そうではないのだと理由を話す。
しかしそれを聞くスミヤは、耳を傾けつつも首を振った。
“ 君の夢はもう、かつてほど重要でない ”
母親が全てだったミレイは、母親の姿を追いかけるしかなかった。
それしか孤独をのりこえる方法がなかったから。
" 母のような " 立派なガードマンに──
その夢が彼女にとって、大きな心の支えだったのだろう。

