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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第27章 本気の愛

“ スミヤさんは相変わらずね… ”
ミレイは心の内で溜め息をついた。
美しい顔に影を落として、こちらに向ける妖しい笑みが危険すぎる。
「…あの、やっぱり、わたしはこんな事をしてる場合じゃありません」
「…というと?」
「明日には迎えが来てしまいます。この学校を辞めさせられる前に、何か対策しないと…!!」
並べられた駒に手をつけず、余裕な態度の彼に訴えかけるミレイ。
この時の彼女は「行きたくない」という思いが強かった。
ミレイがどちらを選択したところで、彼女の意思によらずどうせ連れていかれる…
その事を頭のどこかで覚悟しているからかもしれない。
そうか、君は逃げたいのか……と
先手を指したスミヤは、緊迫感のまるでない声で呟いた。

