この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第27章 本気の愛

「でも、だからこその、チャンスなんじゃない?」
「…?」
「君は一度、兄さんと離れてみるべきだ。君たちには時間が必要なんだよ」
「どうして?離れないといけないんですか…!?」
「──…なら聞くけど、君は兄さんのどこが好きなの?」
「え…っ」
彼の切り返しにミレイは戸惑った。
それが今回のことにどう関係しているんだろう。
「…き、…気付いた時には…好きになってて」
「何かしら、きっかけぐらいはあるでしょう」
「きっかけ…?」
ばか正直に返事をして、さらに問いを続けられた彼女は口ごもった。
彼を好きになった、きっかけ──
「…カルロさんが、助けてくれて」
「……」
「スパイ容疑をかけられた時も、実戦授業のミッションでも、3年前…わたしが、拐われそうになった日も」
そう、カルロさんはいつだって助けてくれた。
面倒臭がりながら、それでも、いざってときに頼りになる人だったから…。
「…ハァ、……やっぱり、ね」
「……?」
「残念だけれど、君の " 好き " は思い込みだよ」
スミヤは目を細め
今度は、笑うでなく顔をしかめた。
その意味がミレイにはわからなかった。

