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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第27章 本気の愛

「卵からかえったばかりの雛が、目の前の蛇を親と思い込んで慕うのと同じさ」
「……!!」
「君は兄さんに危機を救われ、しまいには数年前からの探し人が兄さんであると知った。…そりゃあ、運命を錯覚するのも無理はないね」
「…そんなはず…ない…」
スミヤの言葉を強く否定したい。
けれど…彼の目は真剣で、からかっているのではない事が伝わってくるから…
「……っ」
その話がしごく全う( マットウ )であると認めざるを得なかった。
“ 思い込んでる……?わたしは、カルロさんを本当の意味で愛していないの? ”
そんな訳はなかった。
彼の過去を知り、その苦しみを知り…
同じくらい胸を痛めた自分は偽りではない。
でも好きになったきっかけは、いとも単純で、安易なトラップ。

