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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第27章 本気の愛

頬に張り付いた黒髪をはらうことをせず
ミレイを見据える、無言の瞳。
「……っ」
無言の中に、感じるものがある──。
彼のその蒼色の目が、ひっそりと隠す真実がそこにあった。
「スミヤさん…‥」
同じ目を向けられた事が、以前にもあった。
その時は気のせいだって思った。
気のせいだと思い込んで、深く考えずに流してしまった。
“ スミヤさん、もしかしてあなたは…… ”
──つまり、そういうことなんですか?
「──…あなたは…、本気の愛を、知らないわけじゃあない……?」
「……」
「本当に好きな人は、もういるんですね」
「……どうだろうね」
スミヤは言葉を濁した。
ミレイは今になって、これまで気付けなかった自分を悔やむ気持ちになった。
どうして、よりにもよって、こんな状況で…
気が付いてしまったのか。
彼の瞳に籠められた想いは
──恋敵への嫉妬だ。

