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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第27章 本気の愛

「君はそのまま本気の愛を貫きなよ」
これからは、邪魔も手助けもしないからさ。
「──…そして…僕から兄さんを奪ってくれ」
振り返ったスミヤは微笑みを浮かべて
でも……その目に嫉妬の色を映して。
──その目が透き通っていた日が、スミヤの過去にもあったのだろう。
けれど彼の愛は報われなかった。
彼の執着は許されなかった。
想いを口にすることさえ諦めるしかなかった。
数えきれない女を抱いて、気になった男にも片っ端から手を出して…
そうして束の間の愛をかき集めていないと、スミヤの心は…もたなかったのかもしれない。
「とっとと奪って、僕から見えないところに連れていっておくれよ」
「……っ」
「…おやすみ、ミレイ」
ミレイを残して部屋を出たスミヤは、シャツのボタンを外しながら風呂場へ向かった。
その所作はいつになく乱暴だ。
「ハァ、疲れた…」
誰もいない長い廊下で、ひとり…切ない声で呟きを零しながら───。
───…

