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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第27章 本気の愛

どれだけ執着しても、叶わない──。
それなら、他の人間たちに愛を求めるようになるのも自然じゃないか。
たとえその愛が錯覚でも、僕を包む快感が一瞬でも
それで構わない。
“ 愛だの恋だのに本気になる権利を、僕は与えてもらえなかった ”
仕方がないさ
だって、僕が本気になった相手は──
「…ミレイ」
「…っ、なんですか…?」
「一度決めたターゲットは僕に堕ちる( オチル )まで逃がさない趣向だったけれど、もう君からは手を引くよ。…君、疲れるから」
だから安心したら?と
障子を開けて、振り返った彼が言う。
「あ、…あの…っ」
「……何?」
呼び止めたミレイ。
でも、何を言えば……。
「その、おやすみなさい……」
「──…うん、君のせいで眠れそうにないよ」
「……っ」
「フフ、冗談…」
なかば冗談でもないけれど。

