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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第28章 奪回

浅いところに座り、岩場に頭を預けて仰向けのカルロ。
腰骨からの筋がくっきりと…胸の横まで色気あるラインを描いている。
バサバサっ
竹柵の向こうではカラスが何かと喧嘩でもしているのか、翼の音が騒がしかった。
「……」
そしてカラスが飛び去った時、眠っていた彼は目を覚ました。
五月蝿い鳴き声に顔をしかめると、カラスと一緒になって飛んでいく鳶( トンビ)が目に入る。
カラスより大きな身体をしていながら、鳶は逃げるように旋回を続けていた。
だがカルロは、鳶の臆病さにイラつくことも、カラスに追い回されるそれを気の毒に思うこともしない。
…何にも関心を持たなかった。

