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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第28章 奪回

だからこうやって、第一線で活躍する彼等の足を引っ張ろうとしてくるのだ。
「こうなってくると、父さんが警察に捕まったのは悔やまれるなあ」
スミヤは呑気にそう言って、前髪を掻き上げた。
「警察に突き出した張本人が、何言ってやがる」
「ハルトは反対だったっけ?」
「……そういうわけじゃない」
温まった身体から汗を流しながら、軽く俯いたハルトが呟いた。
「…親父はミレイの母親を殺したんだろうが」
「……、そうだね」
「だったら…──いや、そうでなくても、あのクソ親父には牢屋の中が似合ってんだよ…っ」
「おやおや、まだ反抗期は終わっていないのか」
スミヤがハルトを見た時──
彼のその表情は複雑だった。
苛立ちと…怒りと
尊敬を裏切られた悔しさと
僅かな寂しさを…垣間見せて。

