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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第28章 奪回

これにはスミヤも驚いていた。
二人の間で、交互に顔を見比べる。
ハルトは構わず喋り続けた。
「あいつがいなくなってひと月だ。…この間に俺は決めた」
「…ハルト…君はそんなに彼女のことが?」
「あいつは俺の玩具なんだよ」
スミヤに口をはさまれる前に豪快に言いきり、不機嫌な顔で横を向く。
咄嗟に目を開けていたカルロは、そんな弟の横顔を静かに睨みすえていた。
「………おい」
「……っ」
そして…低く声を発した。
ハルトが怯んでしまうような、凄みのある低音で。
「……何故それを、俺に話す」
「…っ…お前見てるとイラつくんだよ…!!」
「答えになってない…」
汗の滲んだ顔を気怠げに起こしたカルロは、背後の岩に肘を置いたままハルトに真っ直ぐ顔を向けた。

