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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第28章 奪回

「銃器のエキスパートなら、ここにいるでしょ」
「…ッ…は?」
「可愛い弟のためなら手を貸すさ。──ミレイ奪還のためにね」
そう言ってスミヤは、チラッとカルロを盗み見た。
すると…鋭く睨んでくるカルロと視線が合う。
「──…」
「兄さんも異論はないよね」
しかしスミヤは怯まない。
「それとも一緒に、" 手伝う " かい?」
試すような口調でカルロに話しかけた。
「どうする?」
「……」
カルロは無表情のまま、彼の問いに答えなかった。
いったい何を考えているのか…少しの沈黙をはさんだ後、奥歯をかたく噛み、スミヤから目をそむける。
「──…お前らで、勝手に…しろ」
「兄さん……」
そむけた先の──湯煙の向こうの竹柵を見ながら、カルロは小さな声でそう答えた。

