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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第28章 奪回

「本当に…それでいいのかい?」
「しつこい」
それきりカルロは弟達と目を合わせない。
これ以上の言及を拒み、無関心をよそおう。
…スミヤは、そんな彼に落胆した。
「彼女のことは諦めるの?」
「……」
「兄さん…っ」
「…それ以上、喋るな」
それ以上喋るな
これ以上…彼女のことを思い出させてくれるなと
…命令しているんじゃない。
彼は懇願しているのだ。
ミレイのことを想ってこそ、カルロは必死に自身の衝動を抑えている。
“ いつ壊してしまうか…わからない ”
今日が平気でも、明日は?明後日は?
1年後は?
あいつの " 未来 " を想うならば、俺の手の届かない所へ置いてしまわなければ…
さもないと
「──…また、繰り返される」
「……!!」
「だから、──…だ」
だから…に続く言葉をカルロは濁した。

