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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第28章 奪回

「今……猛烈に機嫌が悪い」
「へぇ、そうかい」
「俺を 逆撫でするな。……死ぬぞ」
「兄さんに殺されるなら本望だよ?」
「…ハっ、…馬鹿が」
スミヤの言動はあながち冗談でもないのだが
それを知ってか知らずか、カルロは嘲笑とともに軽く流した。
彼がこの苛立ちをぶつけるべきはスミヤではない。
勿論、ハルトでもなかった。
「……スミヤ」
「…、どうかした?不機嫌なお兄サマ 」
「俺を、手伝え」
「……フ」
二人だけになった露天風呂で
同じ景色を前に臨みながら
彼等の謀議はここに成立した。
「──…できの良い弟達に、感謝のひとつでも欲しいところだよ」
それから ゆうに一時間
波立つ事なく長風呂を終えて、計画は動き出す。
天才にして─最凶の
兄弟達が、動き出す──。
────……

