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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第28章 奪回

「大丈夫か?疲れていないかい」
「ええ、平気です。ジンさん」
慣れない場所で彼女が疲れていないかを心配してジンが気遣う。
ミレイは首を横に振った。
初めての場所でそれなりに戸惑うことはあるが、疲れるほどでもない。
「…ただ喉が渇いたかも」
「向こうのテーブルにアルコール以外の飲み物が用意されているから、取ってくるといい」
「そうしますね」
ミレイは彼から離れて、ヒール靴に苦労しながらこけないように歩いた。
──この会場に集まっているのは、どうやら政界の大物らしい。
耳に入ってくる会話でそれを推測できた。
会場を見渡すように、ミレイが歩きながら後ろに振り返ると…
「……」
すぐ後ろをついてくる、二人の男達と目があった。
“ もう…。わざわざついてこなくていいのに ”
ミレイは溜め息をつきそうになる。
ただそれは彼らに失礼なので、慌てて顔を前に戻した。

