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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第28章 奪回

配膳室を抜けると従業員用の廊下に出た。
ミレイは護衛にはさまれて歩きながら、チラチラと後ろを振り向いていた。
“ いったい誰が侵入なんて…!? ”
政界の人間が集うパーティーだ。本当にテロリストが現れたのだろうか。
でも
「……っ」
あのビルの屋上にいたのは……!
もしそうなら、会場に入ってきた人は……っ
「…は…ッ…離して下さい!」
「っ…お嬢さま!? 戻ってはなりません!」
ミレイは腕を振って護衛から逃れ、再び会場へ戻ろうとした。
彼女を囲んでいた四人の護衛の隙間を通り抜けて、ヒール靴を脱ぎ捨てる。
廊下を走り、配膳室の戸を開ける。
「…あ…!!」
しかし追い付かれて、後ろから腕を掴まれた。
「お願いだから行かせて!誰が来たのか…っ 確かめないと…っ…!!」
ミレイは必死だった。

