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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第29章 契約の熱

そんなカルロが今さら卒業というワードを口にしたのが、ミレイにとってどれほど予想に反したことか。
彼の真意を汲むのにも、しばらくの沈黙が必要だった。
「──…わからないのか?」
思わせ振りな口調で囁くカルロ。
自分が顔を近付ければ彼女が緊張して顎を引くのを、楽しんでいる風もある。
「あんたにしてやる。俺の命を捧げる相手──」
カルロの唇が耳許で動き
息が穴の入り口をかすめる。
「何があろうと、あんたを…守りぬく」
「──…」
「それを、誓ってやる」
「誓い…?…わたし、に?」
「……後はあんたが命じるだけだ」
ミレイの目が見開き
…だが、真横にある彼の顔を見ることは叶わない。
前を向いたままの彼女の左頬に男の唇が優しく触れた。

