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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第29章 契約の熱

....チュッ
「さっさと言いなよ。俺に懇願して、命令しろ」
「わたしで…、いいの……?」
「…あんたなら、いい」
彼の言葉に胸が震えた。
聞き返す声まで、喉と一緒に震えだす。
こんなもの、願うことすらしていない。
こんな瞬間が許されていただなんて…夢にだって見なかったのだ。
“ カルロさんがわたしを選んでくれるだなんて ”
冷静になろうとすればするほど恐ろしくなり
それと同時に
涙が出るほど嬉しかった。
「カルロさん」
「……なに」
「お願い します。カルロさん、どうか、…わたしの専属になってくれませんか…!!」
専属ガードマンの依頼。
それは数年後、見ず知らずの人間に、ガードマンとして成長したミレイが言われる筈だった言葉。
なのに自分が言う側にまわるなんて
その相手が彼だなんて。
どうして予想ができただろうか。

