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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第31章 Epilogue ── とある恋人たちの日常

「せっかく休日がもらえて、二人きりなのに」
「……」
「──…。…カルロさん、髪、伸びましたね」
「悪いか」
あ、起きてる
カップを両手で持ったまま上目遣いで、ミレイは彼を観察していた。
ふわっとした猫っ毛のカルロの金髪は、なんだか触れれば気持ち良さそう。
…でも、耳をすっぽり覆い隠すその長さは、見た目の印象が重たい。
「そろそろ美容院に行けばいいのに」
「…いかない」
「っ…前もそうやって駄々こねましたよね。そもそも、暑い暑いって言ってるのはその髪の毛のせいもあると思いますよ」
「……っ」
寝たふりをされたお返しに、彼女の口調はいつもより強気だった。
カルロは本当に、身だしなみに気を遣わない。
今までだって、面倒臭がる彼を美容院に連れていったり…服を買いに行ったり、それは至難の業であった。

