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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第31章 Epilogue ── とある恋人たちの日常

「…カルロさんを…ひとりじめ、できて…。
───…嬉しい……です 」
「……」
あなたと契約を結んだのは、わたしだけ。
ああ……でも、そういえば
わたしはあなたの奴隷でもありました。
覚えていますか?
気まぐれなカルロさんは、きっと覚えていませんよね。
奴隷宣告なんてされて、初めは怖くて仕方がなかったけれど……
結局、何もしてこなかったじゃないですか。
それともスミヤさんが言ったように、本当にわたしを追い払うための口実だったの?
「……。効果は、なかったがな…───」
「…はい、……そう です…ね‥‥」
.......
自堕落なあなたと過ごす、幸せな時間。
いつ一変しようとも可笑しくない日常で、つかの間のやすらぎ。
けれど、この愛がどんな結末でも……
わたしの眠りは安らかであると思う。
ただ残されたあなたを想うと
少しの不安が、灯るだけです。
“ いけない……紅茶が、置きっぱなし ”
二人分のティーカップが、テーブルの上に放ったらかしにされている。
せめて自分のだけでも飲みほすべきかと…手を伸ばしかけたミレイだが
すぐにどうでもよくなってしまった。
それより今は、この幸せを噛み締めたいと
誘( イザナ )われるまま、深い眠りに吸い込まれた。
湯気はすでに、消えかけている──
少し歪( イビツ )な恋人たちの、ごく平凡な休日を
邪魔をせぬように、静かに見守りながら。
「 歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~ 」完
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