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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第6章 誤解
「誰…!?」
いきなり声がしたのは
障子をはさんで廊下の隣──。
障子は中途半端に開いており、そこからのぞく畳の部屋から人が現れた。
和装姿の男──
「あなたは…!」
「おはよう、枢木さん」
身構えていたミレイは、相手の顔を見て緊張の糸を解いた。
「はじめまして…ではないな、昨日会ってるし」
「どうしてここに?」
雑じり気の無い、真っ黒な色をした髪。
蒼い瞳と…目の下のホクロ。
…食堂で会った男だった。
彼女の髪を掴むハルトを、下品だからやめろと言って窘( タシナ )めた人物。
あの時は洋服を着ていたのに、今は和服に身を包む彼は、どうしてここにと聞くミレイを笑った。
「ハハっ、君がそれを聞く?」
嫌味な笑い方ではなかった。