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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第6章 誤解
「──…と、言うわけです」
「へぇ」
彼女と父親との間に何の関係もないことを説明されて、スミヤが驚く様子はなかった。
説明中も、それが終わった今も、彼は同じように口を閉じたまま微笑んでいる。
その表情は確かに優しそうなのだが
ちゃんと話を聞いてくれているのかミレイは不安に思った。
「あの…わかってくれました?」
「うん、だいたいね」
驚くとか怪しむとか、そういう反応を返してくれないと…
何を考えているのか掴めない。
“ とりあえず誤解は解いたのよね ”
そう納得することにしよう。
立ち話も切り上げないと、そろそろミレイは授業にいかなければ。
「じゃあ、わたし行きますね」
「そうだね…。引き留めて悪かったよ。──…あ」
鞄を抱えてミレイが彼の前を通りすぎる。
するとスミヤは、彼女の後ろ姿を見て呼び止めた。
「髪の毛がほつれてるよ、ほら…」
「え?どこ…」
「ここ…、…よし、これでいい」
指を通してほつれを直してくれる。
“ 昨日は髪を乾かさずに寝たからな… ”
その間、ミレイは自分の照れがばれないようにうつ向いていた。