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星の島で恋をした【完結】
第19章 《十九》
「……リクハルド」
星の島にいるはずのリクハルドがどうしてここにいるのだろうか。
「俺の大切な人を害した責任、取ってもらおうか」
「なっ、なんだおまえは!」
「だれだっていいだろう?」
後ろ手にしているアントンの腕を上げると、アントンの口からは悲鳴があがった。
「オオオオ、オレがだれか分かっているのか!」
「さあな」
「無礼者め! お、おまえたち、なにをしている! 早くこの男を捕らえろ!」
セルマがいる場所からはよく見えないが、気配からしてカティヤ王女とリクハルド、それとアントン以外にも人がいるのが分かった。
扉の向こうで武器が構えられる音がしたが、リクハルドがアントンを捕まえているため、どうすればいいのか手を出しかねているような感じだった。
「なるほど、公爵家は星に背くということか」
リクハルドの楽しそうな声にあたりはしんと静まりかえった。
「今が昼であったことを感謝しろよ?」
その言葉のあと、リクハルドはぼそりとなにかを口にした。そしてそこそこ近くでどーんっという音とともに建物全体が揺れたことで、リクハルドが攻撃魔法を詠唱したらしいということが分かった。
「なっ、何事っ!」
アントンもだが、周りも動揺しているようで、ざわめきが復活した。
「報告します! 建物の一部に雷が落ち、損傷。そこから火の手が上がっております」
「は? 雷? それよりも、早く消火しろ!」
星の島にいるはずのリクハルドがどうしてここにいるのだろうか。
「俺の大切な人を害した責任、取ってもらおうか」
「なっ、なんだおまえは!」
「だれだっていいだろう?」
後ろ手にしているアントンの腕を上げると、アントンの口からは悲鳴があがった。
「オオオオ、オレがだれか分かっているのか!」
「さあな」
「無礼者め! お、おまえたち、なにをしている! 早くこの男を捕らえろ!」
セルマがいる場所からはよく見えないが、気配からしてカティヤ王女とリクハルド、それとアントン以外にも人がいるのが分かった。
扉の向こうで武器が構えられる音がしたが、リクハルドがアントンを捕まえているため、どうすればいいのか手を出しかねているような感じだった。
「なるほど、公爵家は星に背くということか」
リクハルドの楽しそうな声にあたりはしんと静まりかえった。
「今が昼であったことを感謝しろよ?」
その言葉のあと、リクハルドはぼそりとなにかを口にした。そしてそこそこ近くでどーんっという音とともに建物全体が揺れたことで、リクハルドが攻撃魔法を詠唱したらしいということが分かった。
「なっ、何事っ!」
アントンもだが、周りも動揺しているようで、ざわめきが復活した。
「報告します! 建物の一部に雷が落ち、損傷。そこから火の手が上がっております」
「は? 雷? それよりも、早く消火しろ!」