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星の島で恋をした【完結】
第3章 《三》
 そんなことを考えていたら、いても立ってもいられなくなり、セルマは監禁されているかもしれない人物を探そうと思い、ガゼボから出ようと足を踏み出そうとして気がついた。

 服の着替えはあるが、靴の替えは持ってきていなかった。まさか海に落ちて濡れてしまうなんてことは考えていなかったから、普段から履き慣れているかなりがっちりとしたブーツを履いてきた。海水に浸かってしまったことも心配だったが、辺りを見回してもセルマの着ていた服一式は見あたらなかった。あの男が適切に洗濯をしているとは思えず、セルマは途方に暮れた。

 しかし、あの男を探し出して服をどうしたのかと問いつめるのもなんだか嫌だ。なによりもあの綺麗な顔を見ると、自分の醜態を嫌でも思い出させられるし、それにあの星の化身のような見た目に二の足を踏んでしてしまう。

 そういえばカティヤ王女も綺麗すぎる顔をしているけれど、気さくな性格のせいなのか、こんなにも気後れすることはなかった。

 同じように綺麗すぎる見た目をしていても、性格の違いでこうまでこちらの印象が変わるのかと改めて認識した。

 とにかく、服とブーツは諦めよう。裸足で過ごしても問題ない。

 セルマはそう結論づけて、ガゼボから足を踏み出した途端。

「あつっ!」
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