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星の島で恋をした【完結】
第9章 《九》
     *

 男の手がセルマの身体を高めていく。しかも熱い舌が執拗に首筋を舐め上げ、ぞくりとした快感を与え続けてきた。しかも首筋を舐められているうちに下履きのなかにぬるりとしたものがこぼれ落ちてきたのが分かった。

「あ……だ、めっ」

 男の手がセルマに快楽を与えていく度、それとともに下腹部がぞくぞくとして、さらには左肩の傷口も一緒にずきりと痛む。その痛みは身体の芯をしびれさせ、まるで麻痺したかのように身体が動かなくなっていた。

「傷口が痛むのか?」
「あ……ん、いた……い」

 先ほどまで痛くなかったのに、男が首筋を執拗に舐めて快感を覚える度に肩の傷が痛み始めたことにセルマは気がついた。

 その痛みから逃れようと身体を動かそうとしたのだが、思うように動くことができなかった。これはなんだというのだろうか。

「なるほど」

 男はなにかに気がついたらしく、それだけ呟くと、ようやく首筋から舌を離した。

 今まで感じたことのなかった気持ち良さがなくなることを残念に思ったが、それと同時に肩の痛みが徐々に引いた。

「セルマ、動けるか」

 男は首筋から口は離していたが、中途半端に服を脱がしたまま、胸をもみ続けていた。

「ぁ……」

 男に問いかけられてセルマは身体を動かしてみた。変な痺れもなくなり、動くようにはなっていたが、気持ち良さに力が抜け、崩れ落ちないように男に寄りかかっていた。それでもセルマは男の腕のなかで動いてみせた。

 男はセルマが動けるようになったことが分かると胸から手を離し、羽織っていたシャツを完全に脱がせ、さらに下穿きに手をかけてきた。

 ぼんやりとしていたセルマは男にされるがままになり、抵抗することなく一糸まとわぬ姿にされてしまった。

「寝台にうつ伏せになって」

 もうろうとしたまま誘導され、セルマはどうにか寝台に手をついた。身体が燃え上がりそうなほど熱い。早くこの熱をどうにかしてしまいたい。

 悩ましげな吐息を吐くセルマになにを思ったのか、男はセルマの上半身だけを寝台に押しつけた。
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